あらゆる制度は、暗黙裡にせよ、何らかの人間像やその未来像から霊感を受けており、そこから判断の根拠や価値体系、行動方針などを引き出しています。大部分の社会はその制度の根拠として、物質に対する人間の優位性を挙げてきました。ただ神的啓示に基づく宗教のみが、創造主でありあがない主である神の中に、人間の起源と目的とを明確に認めてきたのです。教会は国家権力者に対して、神と人間とに関するこの真理に基づいてそれぞれの判断や決定を下すようにと促しています。
この真理が示している事実を無視したり神から独立するという名目のもとにそれを拒否したりする社会は、自らのうちに自らの根拠や目的を求めるか、何らかのイデオロギーを借りるようになり、人々が善悪の客観的基準を擁護することを認めず、人間およびその向かうべき目標に関して、公然の、あるいは陰険な全体主義的権力を振るいます。それは歴史が示すところです28。