[2402]
初めに、神は地とその産物とを人類の共同の管理にゆだね、人類がそれに手を加え、労働によって支配し、その実りを得るようにはからわれました148。創造されたものは全人類のためのものです。けれども、土地は人々に分配されました。それは、欠乏や暴力の危険にさらされる生活の安全を保証するためです。財貨を私有することは、人間の尊厳と自由とを保証し、それぞれが自分自身にとって基本的に必要なものや自分が扶養する人々にとって必要なものを賄えるようにするためには、正当なことです。それは、人々の間にある本来の連帯性を表すためにゆるされるべきことです。
[2403]
正しい方法で取得したり受け取ったりした財貨の私的所有権は、地が初めから人類全体に与えられたものであるということと矛盾するものではありません。たとえ共通善の促進という目的のために私有財産やその権利、ならびにその行使の尊重が求められているとしても、つねに第一に優先されなければならないのは、財貨の普遍的使用目的だからです。
[2404]
「人間は財の使用に際して、自分が正当に所有している物件を自分のものとしてばかりでなく共同のものとしても考えなければなりません。すなわち、物件は自分のためばかりでなく、他人のためにも役立つようにという意味においてです」149。ある財貨を所有するということはその所有者が神の摂理の管理者にされるということであり、当人はその実を結ばせ、手にした利益を他の人々と、まず第一に隣人と分かち合うべきなのです。
[2405]
土地、工場、才能、技術などのような生産財⸺物質的なものであろうと非物質的なものであろうと⸺を所有する者は、それらの生産力ができるだけ多くの人に役立つように配慮すべきです。使用財や消費財の所有者は節度をもってこれを用い、最良のものは客や病人や貧しい人のために残しておかなければなりません。
[2406]
政治をつかさどる者は、所有権の正しい行使を共通善のために規制する権利や義務を持っています150。