[763]
時が満ちて御父の救いの計画を完遂することが、御子の使命です。ここに、御子の「派遣」の理由があります163。「主イエスは、よきおとずれ、すなわち世々の昔から聖書の中で約束されていた神の国の到来を宣言して、ご自分の教会を始められました」164。御父のみ旨を果たすため、キリストは地上に天の国を創始されました。教会は、「神秘としてすでに現存するキリストの国」165です。
[764]
「この国は、キリストのことばとわざと現存によって人々の前に現れます」166。イエスのことばを受け入れることは、「み国そのものを受け入れる」167ことにほかなりません。神の国の萌芽と始まりは「小さな群れ」(ルカ12∙32)で、イエスは彼らをご自分の周りに呼び集めに来られ、自らその牧者となられます168。この人々はイエスの真の家族を形づくっています169。このようにしてご自分の周囲に集めた人々に、イエスは新しい「行動のしかた」と同時に、独自の祈りを教えられました170。
[765]
主イエスはご自分の教会に、み国が最終的な完成を見るまで継続される組織を与えられました。まず、ペトロを長とする十二使徒を選ばれました171。イスラエルの十二部族を表す172十二使徒は、新しいエルサレムの礎石です173十二使徒174とその他の弟子たちは175、キリストの使命と権能、また、そのさだめ176にもあずかります。以上のすべての行為によってキリストはご自分の教会を準備し、打ち建てられます。
[766]
しかし教会は、とくに、キリストがわたしたちの救いのためにご自身を余すところなくお与えくださったことによって誕生しました。キリストはこれを、聖体の秘跡を制定して先取りし、十字架上の死によって実現なさいました。「〔教会の〕〕起源と発展は、十字架につけられたイエスの開かれた胸から流れ出た血と水によって表され」177ています。「十字架上に眠るキリストのわき腹より、たえなる秘跡である全教会が生じたのです」178。エバが眠っていたアダムのわき腹から造られたのと同じように、教会は十字架上で亡くなられたキリストの、やりで貫かれた心臓から生まれました179。